コミュニケーションは私たちの日常生活で欠かせないものですが、同じ内容でも話し方ひとつで相手に与える印象は大きく変わります。
上司、友人、異性など、誰からも好かれる話し方には共通する特徴があります。
このコラムでは、人に気に入られる話し方の特徴について、それぞれの対象別に詳しく解説していきます。
人に好かれる話し方の共通する特徴
相手を尊重する姿勢
人に好かれる話し方の基本は、相手の頭の中を想像することです。相手がしてほしいこと、期待していること、投げかけてほしい言葉を察知する能力が重要です。人間は基本的にわがままで、自分が話したいことを話したいし、聞きたいことを聞きたいという本音を持っています。
このような相手を尊重する姿勢は、どのような人間関係においても重要な基盤となります。
聞き上手であること
好かれる人と嫌われる人の違いは、主に「聞き上手かどうか」にあります。好かれる人は、相手の話に興味を持ち、積極的に聞きます。相手の気持ちや考えを理解しようと努め、共感や質問を交えて会話を盛り上げます。一方、嫌われる人は、自分の話ばかりしたり、相手の話を遮ったり、否定したりします。
基本的に、人は自分のことを知ってもらいたいがために話します。話を聞いてもらえると承認欲求が満たされ、聞いてくれた人のことを好きになるでしょう。
ポジティブな言葉遣い
コミュニケーション能力が高い人の特徴として、「使う言葉がポジティブ」であることが挙げられます。また、「リアクションが魅力的」であることや「いつも笑顔」であることも特徴として重要です。
ネガティブな言葉よりもポジティブな表現を使うことで、会話の雰囲気が明るくなり、相手も心地良く感じます。
明るい声のトーンと表情
暗い声をいつまでも聞いていると気持ちが沈んでしまいます。人に好かれる話し方をする人は、声の調子が明るくて聞いていて気持ちがいいものです。ドレミファソのソの音で話をすると声のトーンが明るいといわれています。
人に好かれる話し方の第一歩として、相手と会話を始めるときは心から楽しいと思って明るい空気を作り出すことが大切です。
上司に好かれる話し方の特徴
上司との良好な関係は、仕事の効率や評価、さらにはキャリアの発展にも影響を与えます。
報告・連絡・相談を適切に行う
仕事を進めるにあたって、上司への報告・連絡・相談の「ホウレンソウ」をしっかり行える人は、「安心して仕事を任せられるな」と上司から気に入られます。上司は常に部下の仕事に対して、「あの件、進捗はどうなっているんだろう?」「納期には間に合うだろうか?」と気にしています。上司へ報告・連絡・相談を自ら定期的に行うことで、「この人はしっかり仕事をしてくれているな」と信頼されるようになるでしょう。
素直さと愛嬌
上司に好かれるのは、性格が「素直」な人です。素直な人は、指摘をきちんと受け入れて改善するため、ミスによる仕事の効率低下を防げます。素直な人は感じもよく、指摘を素直に受け入れる姿勢も柔軟です。仕事の上達も早いため、ますます上司に信頼されます。
愛嬌があり素直な人は、上司に気に入られます。仕事で成功した時や褒められた時は素直に喜び、指摘を受けたりミスをしたりした時は素直に謝って改善しようと努力できる人は、上司からはもちろん周りの同僚などからも信頼される存在になります。
「さしすせそ」の法則を活用する
上司に好かれる「さしすせそ」とは、次のような言葉のことです:
- さ:さすがです
- し:知りませんでした
- す:すてきです、すごいですね
- せ:センスがちがいますね
- そ:そうなんですね(感心)
この「さしすせそ」を相槌にうまく挟むことで会話がスムーズにでき、また相手も気持ちよく会話を続けることができる魔法の言葉です。ただし、使いすぎてわざとらしくならないように注意することが大切です。
先読みして行動する
上司に信頼されやすい人の特徴として、「上司の指示の背景を理解し、先回りして行動することで評価が上がる」ことが挙げられます。必要な準備を整え、上司がスムーズに業務を進められるようサポートすることも重要です。
友人に好かれる話し方の特徴
友人関係では、より対等な立場でのコミュニケーションが求められます。
相手に関心を持ち、質問する
友人関係を深めるには、相手に関心を持ち、質問することが大切です。「最近どう?」「趣味は何?」といった質問から始めて、相手の話に興味を持って聞くことで、会話が弾みます。
共感と肯定的なフィードバック
人に好かれる話し方をするには、例え自分の考えとそぐわなくても、頭ごなしに否定するのではなく、相手の言葉を一旦受け止めることが大事です。相手の意見を受け止めた上で自分の考えを発言すれば、スムーズに話を展開できるはず。また自分の考えを発言する時も相手が嫌な思いをしないよう、否定の言葉やネガティブワードを使わないように意識しましょう。
適切な声の大きさと話すスピード
大きい声で話されても威圧感がありますし、小さな声でボソボソ話されても不安に感じます。人に好かれる話し方をしている人は、その場の雰囲気に合わせた大きさの声で話しています。大勢の前で話すときはクリアで大きめの声、店などで静かに話したいときは小さめの声と場に合せることが上手です。
話が長いと、結局何が言いたいのかが分からず相手は聞き飽きてしまいます。まず、伝えたい内容の要点を絞って、簡潔に分かりやすく話すことを心がけましょう。
ユーモアを交えた会話
友人との会話では、適度なユーモアを交えることで、場の雰囲気が和やかになります。ただし、相手を傷つけるような冗談は避け、場の空気を読んでユーモアを使うことが大切です。
異性に好かれる話し方の特徴
異性との会話では、好感度を上げるための特別なポイントがあります。
声のトーンと話し方
一般的に、声が低い方が男らしい印象を与えますが、声の好みは人それぞれです。渋くて低い声が好きな女性も、太い声が好きな女性も、若々しい声が好きな女性も、よく通る大きな声が好きな女性もいます。話し方についても同様です。ゆっくりとした穏やかな話し方を好む女性もいれば、少し早口で知的な話し方を好む女性も、ノリが良くてやんちゃな話し方を好む女性もいます。いずれにしても、自分が好きな声や話し方の男性に出会うと、女性は好意を抱きやすいものです。
実は、話し方を意識するだけで多くの女性はあなたに好感を持ちます。話し上手な男性はモテるといわれているのは、あながち間違いではありません。一度、自分の話し方や振る舞いを思い返してみましょう。話し上手な人がいれば話下手な人もいますが、話すことに苦手意識がある場合でも、表情や声のトーンを意識するだけで好感を持たれます。できるだけ笑顔で声のトーンも明るくハキハキと受け答えすることが、良い印象を与える重要なポイントです。
共通の言葉を使う
モテる男性の話し方として、心理学の研究から判明したことによると、会話中に相手と同じような言葉を使うことが重要です。相手の使ったフレーズをオウム返しのように繰り返すことを心がけるだけで、モテ度が上がります。特に、相手の返事のフレーズ(「その通りですね」や「ですよね」、「なるほど」など)を使うと効果的です。
相手の気持ちを察する
男女の会話脳の違いを理解することも重要です。例えば、何か問題が起きた時、女性は話をじっくり聞いてもらいたいと思う傾向がありますが、男性はすぐに結論を出したいと考えがちです。そのため、会話のすれ違いが生じることがあります。例えば:
女性「なんだか頭が痛いわ」 男性「病院に行ったら?」(結論) 女性「病院に行くほどでもないのよね」(話を続けたい) 男性「・・・・・」
心配をして欲しい女性の前で男性は言葉を失いました。女性心理がわかっていれば、男性は「心配をしてほしいんだな」ということがわかりますからおのずと会話を続けようとします。結論は男性が出さなくても女性の中にあります。男性は面倒かもしれませんが、そこにたどり着く会話を繰り返すことで女性は男性に信頼と好感を持つようになります。
相手を認め、褒める
「承認」によって心が満たされた時に、人は心の底から安堵感や強い充足感、そして自分の存在価値や自信を得ることにつながります。そこには、私たち誰もが求める強い「承認欲求」が関係しています。心理学者ウィリアム・ジェームズは「人間の持つ性情のうちでもっとも強いものは、他人に認められることを渇望する気持ちである」と述べています。
異性に対して適切な褒め言葉を使うことで、相手の承認欲求を満たし、好感度を高めることができます。
まとめ:実践的な話し方のポイント
人に気に入られる話し方を身につけるためには、以下のポイントを日常的に意識して実践していくことが大切です。
- 相手を尊重する姿勢:相手の話をしっかり聞き、意見を尊重する
- 聞き上手になる:相手の話に興味を持ち、質問や相槌を適切に入れる
- ポジティブな言葉遣い:否定的な表現よりも肯定的な表現を使う
- 明るい声のトーンと表情:声のトーンを意識し、笑顔で話す
- 適切なフィードバック:相手の意見に対して適切な反応を返す
- 簡潔で分かりやすい話し方:要点を絞り、分かりやすく伝える
- 相手に合わせた話し方:上司、友人、異性など、相手によって話し方を調整する
これらのポイントを意識して、日々のコミュニケーションに取り入れていくことで、徐々に人に気に入られる話し方が身につくでしょう。コミュニケーションは練習を重ねることで上達するスキルです。自分の話し方を録音して客観的に聞いてみたり、信頼できる人からフィードバックをもらったりすることも効果的です。
人に気に入られる話し方を身につけることで、職場での人間関係や友人関係、恋愛関係など、あらゆる場面でのコミュニケーションがスムーズになり、より充実した人生を送ることができるでしょう。
最後に、大切なのは「テクニック」ではなく「誠実さ」です。
どんなに優れた話し方のテクニックを身につけても、心からの誠実さがなければ、長期的な人間関係を築くことはできません。相手を尊重し、真摯に向き合う気持ちを持って、コミュニケーションを取ることを心がけましょう。